このページでは、当店が現地仕入れ・輸入・販売しているインディアンジュエリーの素材として使われている、アメリカ産ターコイズについて、鉱山別に簡単にご説明します。ご購入の際の参考にしていただければ幸いです。

ア行

アジャックス・ターコイズ (Ajax Turquoise)

→『クロウ・スプリングス・ターコイズ(Crow Springs Turquoise)』をご参照下さい。

イサカピーク・ターコイズ (Ithaca Peak Turquoise)

 

アリゾナ州で採掘されるキングマン・ターコイズの中でも、ITHACA PEAK(イサカ・ピーク)坑道で採掘された特にハイグレードで最も硬度が高いナチュラル・ターコイズは、イサカ・ピーク・ターコイズと呼ばれています。現在採掘されているキングマン・ターコイズの約95%は、透明樹脂を特殊な方法で注入して硬度を高めるスタビライズド( Stabilized )加工が施されているそうですから、その希少ぶりはかなりのものです。パイライト( iron pyrite、黄鉄鉱)やウォーターマークが入った石、1970年代に一度閉山する以前の通称「オールド・キングマン」( Old Kingman )の石は、コレクターの間でも特に珍重されています。硬度が高いので、非常に光沢があり、独特の美しさがあります。

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インディアン・マウンテン・ターコイズ (Indian Mountain Turquoise)

 

ネヴァダ州の中央東部、ランダー郡にある鉱山です。元々は、1970年にショショーニー族の羊飼いが、丘の中腹で羊の放牧をしている時に、鉱脈につまずいて発見されたと言われています。その後、Eddy Mauzy(エディー・マウジー)氏とその家族が採掘をし、アメリカ南西部トップのインディアンジュエリー職人たちに売り出しました。色目は、はっきりした明るめのブルーが一般的で、まれにブルーグリーンも見られます。トップグレードの石はマトリックスが黒から濃い焦げ茶、他はベージュ系が一般的です。別名「ネヴァダ・ブルー・ターコイズ」、「ティンバーライン・ターコイズ」

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エンチャントメント・ターコイズ (Enchantment Turquoise)

カ行

カーリン・ターコイズ(Carlin Turquoise)

ネヴァダ州北東部エルコ郡カーリン郊外の山間部で採掘されていました。とても硬質なターコイズの一種で、非常に希少性があります。

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キャリコ・レイク・ターコイズ (Carico Lake Turquoise)

 

ネヴァダ州の中北部ランダー郡( Lander County )にあり、現在も細々ですが採掘されています。標高の高い場所で干上がった湖の跡からみつかったので、この名前がつけられたそうです。元々は金鉱の副産物でもあります。時折、採掘会社が個々の採掘者に対してターコイズの採掘権を貸し出しています。埋蔵量と採掘の時間が限られているので、希少なターコイズのひとつといえるでしょう。 同じキャリコ・レイク地域から産出されるターコイズは、オーロラ( Aurora )、ストーン・キャビン( Stone Cabin )、スティニッチ( Stenichi、Steinich )、ゴールド・エーカー( Gold Acre )等の名前で市場に出回ることもありますが、キャリコ・レイク・ターコイズの名前が一番有名です。 カラーレンジは幅広く、均質なブルーから深みのあるブルーまであり、稀に亜鉛の成分に起因する淡いエメラルド・グリーンもあります。

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キャンデラリア・ターコイズ (Candelaria Turquoise)

ネヴァダ州の小さな鉱山で、既に閉山しています。明るく透明感のあるブルーの色目が主ですが、稀にブルーとエメラルド・グリーンが混在するような微妙な色目のものもあります。ベージュから茶色のマトリックスがはいることがありますが、黒いマトリックスは珍しいです。また、クモの巣状のいわゆるスパイダー・ウェブがはいったものも少ないようです。ハイグレードで非常に希少なターコイズです。

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キングマン・ターコイズ (Kingman Turquoise)

 

アリゾナ州北西部のMineral Park(ミネラル・パーク)鉱山地域で、銅山の副産物として今も採掘されています。1970年代に一度閉山しましたが、2004年9月に採掘が再開されました。カラーレンジは、ややグリーンがかったブルーから濃い目で透明感のあるブルーまで幅広くあります。現在では、採掘される約95%が、透明な樹脂を特殊な方法で注入して硬度を高めるスタビライズド( Stabilized )加工を施されるそうです。イサカピーク( Ithaca Peak )坑道から採掘されたナチュラルで特に硬度が高い物は、イサカピーク・ターコイズと呼ばれ、希少価値が高く非常に珍重されています。

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キングス・マナッサ・ターコイズ (King’s Manassa Turquoise)

 

コロラド州中南部、ニューメキシコ州との州境にほどなく近いManassa(マナッサ)鉱山で産出されています。元々は太古のネイティブ・アメリカンが採掘していたものを、1890年に金探鉱者のI.P.King氏が再発見し、現在に至るまで一族が所有しているので、こう呼ばれるようになったそうです。明るめのグリーンに金色かベージュのマトリックスがはいった典型的な物が有名ですが、ごく稀にブルーやブルーグリーンも採掘されたようです。

クリップル・クリーク・ターコイズ (Cripple Creek Turquoise)

クロウ・スプリングス・ターコイズ (Crow Springs Turquoise)

ネヴァダ州南西部のTonopah(トノパー)地方から産出されますが、量はそれほど多くはないようです。1909年に発見されたCrow Springs(クロウ・スプリングス)鉱山から採掘されるので、クロウ・スプリングス・ターコイズと呼ばれますが、Ajax(アジャックス)、BLUEBIRD(ブルーバード)と呼ばれることもあります

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ゴドバー、またはガッドバー・ターコイズ (Godbar Turquoise)

ネヴァダ州中北東部、アメリカでも有数の銅山として有名なBattle Mountain(バトル・マウンテン)地区の近くにあり、現在まで断続的ではあるが産出されています。ただし、最近の採掘量はかなり少ないようです。過去に数人の人物が入れ替わり所有した為に、その都度Last Chance、Dry Creek、Old Bernham、Godberという風に、名前が変遷したと言われています。

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サ行

サザン・ジェム (Southern Gem Turquoise)

 

ニューメキシコ州南部Silver City(シルバーシティー)の南、Tyrone(タイロン)鉱山の近くで採掘されています。以前はRed Hill(レッド・ヒル)鉱山と呼ばれていましたが、2002年に所有者が変わり、現在に到っています。400年以上前から、地元のネイティブ・アメリカンが、この地域のターコイズを採掘していたようです。小高い丘ひとつのとても小さな鉱山で、現在も手で細々と採掘されています。カラーリングは、乳白色がかった淡いエメラルド・グリーンからブルー・グリーン、濃い目のエメラルド・グリーンが主です。ごく稀に、ブルー系もみられることがあります。マトリックスは、淡いゴールデン・ブラウンのものが多いようです。

シリリョス、シィリリョス、またはセリリョス・ターコイズ (Cerrillos Turquoise)

ニューメキシコ州サンタフェの南約10マイル(16km)にある、シィリリョス(セリリョス)周辺地域から採掘されていました。アメリカ合衆国南西部産出のターコイズの中でも、有史以前からの最も古い物のひとつとして有名です。スペイン人がこの地域に入植するずっと以前から、付近のプエブロ・インディアンたちは、個々に採掘をしていたと伝えられています。そして、シィリリョス・ターコイズは、北米全域だけでなく、中南米に至る広範囲で交易・売買されていたことが、遺跡発掘などの学術調査でも明らかにされています。主な個別の鉱山として、Blue Bell(ブルー・ベル)、Castilian(キャスティリアン)、Tiffany(ティファニー)等が有名です。ターコイズとしては珍しく火山のふもとで作られたもので、火山活動による豊富なミネラルの影響を受けて、様々な色合いのものが生み出されました。ベージュからカーキのグリーン系、深みのあるブルーグリーンから鮮やかで濃いブルーや明るいブルーまで、70種類以上もの色合いが確認されているそうです。シィリリョス・ターコイズはとても硬い石で、それ故に磨き上げるととても良く輝きます。ニューヨークのティファニーとその関連会社であるアメリカン・ターコイズ・カンパニーは、この地域の利権を買い取り、1892年から約10年間で200万ドル相当のターコイズを産出したと記録されています。現在では、鉱脈は枯渇しています。

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スーパー・エックス・ターコイズ (Super-X Turquoise)

ネヴァダ州Lander(ランダー)郡Tenaboの北北西に位置する鉱山から採掘されていました。1941年に、テッド&ハロルド・ジョンソンとディック・エドガーによって発見されました。別名『アローヘッド・ターコイズ (Arrowhead Turquoise)』とも呼ばれています。

ストーミー・マウンテン・ターコイズ (Stormy Mountain Turquoise)

ネヴァダ州北東部Elko(エルコ)郡で採掘されていましたが、現在は採掘が終了しています。硬質で、カラーレンジは薄いブルーから濃いブルーまであります。古く典型的なものは、黒いシミ状のマトリックスが嵐の暗雲のようにあった為、この名前が付けられました。現在では、入手困難なターコイズのひとつとなっています。

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ストーン・キャビン・ターコイズ (Stone Cabine Turquoise)

ネヴァダ州中北部で現在も産出されている鉱山で、Carico Lake(キャリコ=レイク)、Aurora(オーロラ)という別名でも知られています。カラーレンジは幅広く、均質なブルーから深みのあるブルーまであり、稀に亜鉛の成分に起因する淡いエメラルド・グリーンも見られます。

スリーピング・ビューティー・ターコイズ (Sleeping Beauty Turquoise)

アリゾナ州中東部Globe(グローブ)近くにある銅山から産出されます。その産出量は世界有数で、現在のアメリカでは数少ない、海外輸出もされているターコイズです。カラーリングは、ライト・ブルーから透明度のあるミッド・ブルーまで幅広いです。マトリクスがないか、極端に少ないクリアーな色合いが特徴です。

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タ行

ターコイズ・マウンテン・ターコイズ (Turquoise Mountain Turquoise)

 

アリゾナ州中北西部、ネヴァダ州との州境近くの鉱山で、Minaral Park(ミネラル・パーク)鉱山地方に属し、同じ地方にあるKingman(キングマン)ターコイズの鉱床に近いです。1980年代に閉山されたとのことです。カラーレンジは、ブルーからグリーンで幅広く、マトリックスの色・入り方も様々で、見た目のバリエーションは実に広いです。古くからの典型的な物は、ひとつの石の中に濃淡差のあるクリアーなミッドブルーまたはエメラルド・グリーンがかったブルーに、薄いベージュから茶色のマトリックス(時にスパイダーウェブ)がはいったパターンでしょう。キングマン鉱床に近いことから、それとよく似た物も時々見かけます。

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タイロン・ターコイズ (Tyrone Turquoise)

1880年代に坑夫John Coleman(ジョン・コールマン)が、現在のニューメキシコ州Silver City(シルバーシティー)郊外での狩猟旅行の途中に、大昔の採掘跡を再発見したのが始まりと記録されています。元々Tyrone(タイロン)という名前は、特定の鉱脈から採掘されたターコイズを指すのではなく、シルバーシティーとタイロン銅山周辺から産出されたターコイズの総称です。その中のひとつ、Azure(アジュール、アズール)鉱山から産出された明るいブルーの物は、ニューメキシコ産で最も高価で価値のあるターコイズとされてきました。特に、1893年にアズール鉱山で発見されたElizabeth Pocket(エリザベス・ポケット)と呼ばれる、長さ100フィート(約30m)x幅40フィート(約12m)x高さ45フィート(約13.5m)の単独鉱脈は、当時ニューメキシコで最高のターコイズを産出しました。
しかしながら、1980年代初めに銅採掘会社が、銅鉱石を粉砕して酸で洗浄する加工法に変えてからは、この地域ではほとんど産出されていません。新しい方法では、銅鉱石に含まれているターコイズの原石が破壊されてしまうからです。そのような状況から希少性が高まり、またハイグレードな品質から、現在一部ではナンバー・エイト・ターコイズ等と匹敵するほどに希少なアメリカ産ターコイズとも言われています。新品のジュエリーに使われているタイロン・ターコイズは、コレクター等が個人所有していた石を加工した物、または古いインディアンジュエリーにマウントされていた石を再加工した物がほとんどです。

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ダメール、またはダマーリ・ターコイズ (Damale Turquoise)

ネヴァダ州中北部のCarico Lake(キャリコレイク)鉱山の近くにあり、産出量の少ない小さな鉱山です。非常に特徴的な、乳白色がかったエメラルド・グリーンの色合いは、亜鉛の成分によるもので、硬度も高いです。マトリックスは茶色、こげ茶が主で、黒もあります。産出量が少ない上に、珍しい色目なので、コレクターズ・アイテムとしても人気があるターコイズです。

ドライ・クリーク・ターコイズ (Dry Creek Turquoise)

 

当店では、アメリカの取引先各位の習慣にならって、わかりやすくする為に便宜上、白系の物をドライ・クリーク・ターコイズ、スカイ・ブルー系の物をゴドバー・ターコイズ(Godbar Turquoise)、またはオールド・バーンハム・ターコイズ(Old Bernham Turquoise)と呼ぶようにしています。ご了承下さい。

また、古くは地元のネイティブ・アメリカンの間で、セイクレッド・バッファロー・ターコイズ(Sacred Buffalo Turquise、神聖なるバッファローのターコイズ)と呼ばれていたことと、独特の白味がかった色合いの為に、ホワイト・バッファロー(White Buffalo)即ちハウライトと混同されやすいですが、全く別物なのでご注意下さい。

このターコイズの独特の白味がかった淡い色合いは、銅(青)の成分よりもアルミニウムの成分がかなり勝っている為に起こると言われています。それ故に、他のターコイズよりも硬度が高く、加工が難しいそうです。この独特の色合いに、他のターコイズにはない、何ともいえない魅力を感じる方も多いと思います。

  ドライクリーク・ターコイズを使ったインディアンジュエリーの一覧は、こちらをご参照下さい。

ナ行

ナンバーエイト・ターコイズ (Number 8 Turquoise)

ネヴァダ州北東部で1925年に発見された鉱山です。最盛期の1930年代~50年代初めは、かなり広域で活発に採掘されていましたが、現在は採掘が終了し閉山しています。カラーレンジは、淡いマットなスカイブルーから濃いブルーまで、広いバリエーションがありますが、スカイブルーが一般的・典型的でしょう。ナンバー・エイトは、黒、金茶や茶色の独特のスパイダーウェブがはいり、他のターコイズとは比較的見分けやすいと思います。いわゆる「クラシック」な雰囲気のターコイズの典型といえるでしょう。1961年に閉山されたといわれており(一説によると1957年頃?)、アメリカ国内でも段々と入手困難になることが予想されています。これから益々人気が出ると思われるターコイズのひとつです。

  ナンバーエイト・ターコイズを使ったインディアンジュエリーの一覧は、こちらをご参照下さい。

ニュー・ランダー・ターコイズ (New Lander Turquoise)

正式名は、ニュー・ランダー・ロイヤル・ウェブ・ターコイズ(New Lander Royal Web Turquoise)です。ネヴァダ州の中北東部、非常にレアで高価なことで有名なランダー・ブルー・ターコイズの鉱山から、1マイル(約1.6km)のところで最近発見されました。オリジナルのランダー・ブルー同様にハイグレードであり、しかもかなり珍しいカラーリングとマトリックスの入り方が特徴です。

ネヴァダ・ブルー・ターコイズ (Nevada Blue Turquoise)

別名「インディアン・マウンテン・ターコイズ」、「ティンバーライン・ターコイズ」。
詳細については、「インディアン・マウンテン・ターコイズ」の項目をご参照下さい。

ハ行

パイロット・マウンテン・ターコイズ (Pilot Mountain Turquoise)

ネヴァダ州中西部にあり、現在も産出されています。一つの家族よって所有、採掘作業が続けられています。色合いはグリーンからブルーまで幅広く、濃淡も様々、マトリックスも赤茶・こげ茶・黒と多様です。石の色とマトリックスの組み合わせは多岐に渡ります。硬度が高く、非常に美しい光沢が魅力的です。

  パイロット・マウンテン・ターコイズを使ったインディアンジュエリーの一覧は、こちらをご参照下さい。

ハイ・ロンサム・ターコイズ (High Lonesome Turquoise)

ニューメキシコ州南部Grant(グラント)に古くからある、HACHET(ハチェット)鉱山地域に含まれる鉱脈の一つといわれています。非常に小さな鉱脈で、ほとんどが手作業で採掘されています。非常に硬度が高く、グリーンからパウダー・ブルーのカラーレンジです。市場に出回ることが滅多にない希少なターコイズのひとつです。

  ハイ・ロンサム・ターコイズを使ったインディアンジュエリーの一覧は、こちらをご参照下さい。

ハチタ・ターコイズ (Hachita Turquoise)

パイユート・ターコイズ (Paiute Turquoise)

ネヴァダ州の中央部にあり、Godber(ゴドバー、ガドバー)、Burnham(バーンハム、バーナム)鉱山と山並みを共有しています。パイユート地区の採掘権が主張されたのは1974年にまで遡りますが、実際の採掘が活発になったのは1992年以降のことです。クモの巣状のマトリクスが美しいハイグレードなターコイズが、かなり限られた量ですが産出されています。明るい色から濃い色まで幅広いグラデーションのブルーに、黒、茶系、時にはオレンジや赤系のマトリクスが見られます。硬度が高く、産出量も非常に少ない為、希少性の高いターコイズのひとつといえます。

ヒーラ・ブルー (Gila Blue) ※ターコイズではありませんが

GILA BLUE(ヒーラ・ブルー)は、アリゾナ州南東部のBISBEE(ビズビー)鉱山と同じ場所から採掘されていました。ビズビー・ターコイズ同様、現在はほとんど採掘されることがありません。元々、非常に採掘量が少ない上、とてもハイグレード(硬質)な為、カットや研磨作業の段階で30~40%が破損してしまうとさえ言われており、市場の流通量が極端に少ないのです。

ヒーラ・ブルーは、厳密な化学組成テストによると、金属性のマトリックスを有するgem silica(シリカ石⇒無水ケイ酸石、珪土石)と断定されるそうです。即ち、非常にハイグレードな珪酸化クリソコラ(Chrysocolla)ということです。組成テストを行った地質学者によると、ヒーラ・ブルーは非常に珍しい石で、gem silicaでこれほど深みのあるブルーの物は見たことがないそうです。

色目はややマットで深みのあるブルー、カラーバリエーションや濃淡差はあまりないようです。マトリックスの色はミディアム・ブラウンからダーク・ブラウンで、典型的な線の細いスパイダーウェブのような入り方は稀です。物によっては、ハイグレードなビズビー(BISBEE)・ターコイズにも酷似しています。事実、ビズビー・ターコイズと同じ母岩から採られることが多かったそうです。アメリカ国内の一部のコレクターの間では、非常にレアな石であることから、ハイグレードなビズビー並みの価格で密かに売買されているそうです。上記の報告内容から、当店では、ヒーラ・ブルーを『ターコイズ』とは表記しないことにしました。

ピクシー・ターコイズ (Pixie Turquoise)

ビズビー・ターコイズ (Bisbee Turquoise)

アリゾナ州南西部の、アメリカでも有数の銅山、通称Lavender Pit(ラヴェンダー・ピット)と呼ばれる地域内にある町、Bisbee(ビズビー、またはビスビー)の鉱山から採掘されていました。現在は閉山されています。トップグレードのものは、透明感のある深いブルーで、一般的には濃いスカイブルーのものもあります。ごく稀に、薄い霧がかかったようなグレーっぽいマトリックスがはいるものがあり、Smoky Bisbee(スモーキー・ビズビー)と呼ばれ、コレクターの間ではとても珍重されています。

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フォックス・ターコイズ (Fox Turquoise)

 

ネヴァダ州中北西部に位置し、同州で最も産出量が多いと言われていた鉱山。その割には、ニューメキシコ州あたりでは、このターコイズを使ったジュエリーは、現在あまり見かけないようです。1912年に発見され、Dowell Ward(ドーウェル・ウォード)氏が1940年代に買い取って発展させました。同地域で産出されるターコイズの色合いの違いから、Fox、White Horse、Green Tree、Smithと名前を付けて区別し、ターコイズ市場のシェア拡大を図ったようです。濃淡差は色々ありますが、グリーンからブルーグリーンのカラーレンジで、独特なベージュ系のマトリックスが入ることが多いようです。

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ブルー・ジェム・ターコイズ (Blue Gem Turquoise)

ネバダ州中北部にあり、1934年から採掘が始まりましたが、現在は採掘が終了しています。アメリカでも有数の銅山として知られるBattle Mountain(バトル・マウンテン)地区の6マイル(約9.6km)南に位置します。ネバダ州の中には、幾つかのブルー・ジェムと呼ばれる鉱山が存在しますが、この場所で採れたターコイズが最良、最多で最も有名です。カラーレンジは、深い緑から透明感のあるブルーまで幅広く、マトリックスはライト・ブラウンからライト・ベージュが一般的です。

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ブルー・ダイアモンド・ターコイズ (Blue Diamond Turquoise)

 

ネヴァダ州ランダー(Lander)郡オースティン(Austin)の近郊にある鉱山で、標高の高い高山にある為、特に厳冬期の採掘が出来ないそうです。ライトブルーから濃い目のブルーの色合いが多く、黒いマトリックスが入るのが特徴です。硬度が高く、良質の石が採掘されることから、アメりカのコレクターの間では人気も高いです。

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ブルーバード・ターコイズ (Bluebird Turquoise)

ネヴァダ州南西部のTonopah(トノパー)地方から産出されますが、量はそれほど多くはないようです。1909年に発見されたCrow Springs(クロウ・スプリングス)鉱山から採掘されるので、クロウ・スプリングス・ターコイズとも呼ばれ、更に別名Ajaxと呼ばれることもありますが、それらの中でも黒や茶系のマトリックスがなく、独特の透明感と深みのあるミッド・ブルーの物を、特にブルーバード・ターコイズと呼ぶようです。また更に、メキシコのBaja California(バハ・カリフォルニア)で産出される同名のターコイズがあって混同されやすいですが、当店取扱いのブルーバード・ターコイズは、ネヴァダ州の産出です。

マ行

モレンシー・ターコイズ (Morenchi Turquoise)

アリゾナ州中南東部の鉱山です。同州でも最大規模のモレンシー銅山(露天掘り)の副産物として産出されていました。アメリカのターコイズとしては、最も古い物のひとつとして流通していましたが、現在は掘り尽されてしまったようです。カラーレンジは、明るめでクリアーなブルーから濃い目のものまであります。前者は「モレンシー・ブルー」と呼ばれています。マトリックスは、ベージュ色の黄鉄鉱が多いようです。稀に「iron pyrite(アイアン・パイライト、パイライト)または「Fool's Gold(フールズ・ゴールド、愚か者の金)」と呼ばれる、一見ゴールドやシルバーのような金属色のマトリックスが見られることもあります。これらパイライト(iron pyrite、黄鉄鉱)がふんだんにちりばめられた石は、コレクターの間で非常に高価で取引されています。

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ラ行

ランダー・ブルー・ターコイズ (Lander Blue Turquoise)

ネヴァダ州北東部バトルマウンテン地区で、約1年間だけ採掘されていた、とても希少なターコイズです。元々は、地元のネヴァダクラブでブラックジャックのディーラーをしていたリタ・J・ハプグッド(Rita J. Hapgood)が、1973年にインディアン・クリークでピクニックをしていた時に偶然みつけた鉱脈です。彼女は、鳥の巣の近くにあった岩の周りに、細かいブルーの部分がちりばめられた黒い小さな石を沢山みつけ、その幾つかを持ち帰りました。その年の3月19日に、この鉱脈をメアリー・ルイス(Mary Louis)鉱脈採掘権として、自分自身のものだと主張しました。同年10月に、彼女は採掘権をMarvin Syme(マーヴィン・シム)とHenry Dorian(ヘンリー・ドリアン)に売り渡し、彼等がThe Lander Blue Turquoise Corporation(ランダー・ブルー・ターコイズ・コーポレーション)を設立し、採掘に乗り出しました。彼等は、鉱脈が切れるまでの1年間だけ採掘を続けましたが、採掘された量は108ポンド(約49kg)だけ、一説には98ポンド(約44.5kg)だけと言われています。ランダー・ブルー・ターコイズが、いわゆるHat Mine(つばの広い帽子で覆い隠せる程度しかない鉱脈の例え)のひとつと呼ばれる由縁です。ランダー・ブルー・ターコイズは、アメリカ南西部で採掘されたクラシック・ターコイズの中でも、採掘量が極端に少ない上に、グレードも最高級である為、最も高価で価値のあるターコイズといわれています。

レッド・マウンテン・ターコイズ (Red Mountain Turquoise)

ネヴァダ州中央東部、Cortez(コルテス)地方のRed Mountain(レッド・マウンテン)鉱山から産出されます。石の色目は、濃いブルーから明るいブルーが一般的で、稀に淡いブルーグリーンもあります。複雑で細かなSpider-web(スパイダーウェブ、クモの巣)状のマトリックスがはいり、その色は赤錆色が一般的です。その為に、この名前が付けられたという説があります。稀に、濃い焦げ茶のマトリックスや、赤錆色だがマット名地図状で比較的広い面積のマトリックスがはいる物もあります。ハイグレード(硬質)なことが特徴ですが、小さなビーズやカボションで使用されることが多いようです。比較的大きなカボションや一番良質な物の価値は、他の高価なターコイズにも匹敵します。

  レッド・マウンテン・ターコイズを使ったインディアンジュエリーの一覧は、こちらをご参照下さい。

ロイストン・ターコイズ (Royston Turquoise)

ネヴァダ州中西部にあるロイストンは、主たるRoyal Blue(ロイヤル・ブルー)鉱山と、Bunker Hill(バンカー・ヒル)鉱山、Oscar Wehrend(オスカー・ワーレンド、ウェレンド)鉱山の3つから構成されています。1902年の発見以来、今でも断続的に採掘されていて、量は非常に限られてはいますが良質のターコイズを産出しています。カラーレンジは、濃くて深みのあるグリーン、濃いブルーから薄いスカイブルーまでと幅広いです。マトリックスは、茶色からベージュが一般的でしょう。

  ロイストン・ターコイズを使ったインディアンジュエリーの一覧は、こちらをクリックしてご参照下さい。

ローン・マウンテン・ターコイズ (Lone Mountain Turquoise)

ネヴァダ州の中南西部に位置する鉱山です。1920年に発見され、かつてはBLUE JAY(ブルー・ジェイ)ターコイズと呼ばれていましたが、その後はLONE MOUNTAIN(ローン・マウンテン)ターコイズと呼ばれるようになりました。以前は、細かく美しいスパイダーウェブ・マトリックスを伴なった深く濃いブルーをはじめとする、様々なカラーバリエーションの石を産出していました。母石の中から、大きな塊状の良質な物がみつかることでも有名でした。一時期は、アメリカ南西部で産出される典型的な「クラシックタイプ」のターコイズの中で、LANDER BLUE(ランダー・ブルー)に次ぐ高価な物でもありました。その為に、採掘者が高価なターコイズを求めて、恣意的に坑道を掘り進めていったらしく、鉱脈が減るにつれ費用対効果が薄れ、管理が危険な鉱山となったようです。後年は開口式の採掘に変わりました。

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このページは、ベアトラックのアメリカ産ターコイズ鉱山別説明ページです

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